江戸小紋の柄って名前がついてるのかな?
江戸小紋は多種多様な柄がありますね。
歴史のある柄には名前があり、その時代に込められた意味もあります。
柄に名前の他にも、意味が込められてるんだ~。
また、江戸小紋には「格」もあり、フォーマルシーンにも着用できる着物もありますよ。
柄に込められた意味を知らないで着用していると、「場違い」と思われてしまいます。
この記事で、江戸小紋の名前と込められた意味を知り、着物コーディネートを楽しみましょう。
また、江戸小紋の見分け方のポイントも紹介していますので参考にしてみてください。
江戸小紋の柄は型染めされた小さい模様が特徴で名前もある
江戸小紋は、小紋に総称される中の1つであり、細かい模様が1番の特徴です。
江戸小紋の特徴は以下の3つありますよ。
- 「型染め」と呼ばれる技法で染めたもの
- 同じ方向に模様が繰り返し入っている
- 昔は、模様のサイズによって大紋と中紋と区別されていた
また小紋には、大きく分けると3種類ありますよ。
- 江戸小紋
- 京小紋
- 加賀小紋
その中でも、江戸小紋は小さい模様が特徴で、種類も驚くほど多いのに一つ一つの文様に名前がありますよ。
種類と名前について、このあと詳しく説明しますね。
あの細かい柄は、型染めされた物だったんだ~♪
江戸小紋の柄の中で格が高く代表的な「三役」
江戸小紋の柄で1番格の高い「鮫(さめ)」「行儀(ぎょうぎ)」「通し(とおし)」は、三役といいます。
この三役に、家紋をつければ準礼服になり、結婚式やお茶会などフォーマルシーンで使えますよ。
三役1.【鮫(さめ)】
鮫小紋は、半円を重ねて鮫の皮のような模様です。
江戸小紋「三役」の中で、1番格の夜会模様が「鮫小紋」といわれています。
鮫小紋の中で、もっとも細かい鮫模様の「極鮫」はさらに格上にあたりますよ。
模様があまりに細かいため、光りを反射して、動くたびに輝いているように見えます。
三役2.【行儀(ぎょうぎ)】
点の並びが斜め45度に交差している模様です。
点模様が、規則正しくお礼をする角度と同じく配列されてことから「礼をつくす」という意味をもっています。
行儀にも極行儀があり、3cm四方に900余りの点が埋め尽くされていますよ。
極鮫と同じように輝きを放ちますが、直線的な並びの模様が爽やかささえ感じられます。
三役3.【通し(とおし)】
四角の柄が、縦と横が直角に交差して均等に並べられた模様です。
小さな四角の点が、均等に並んでいることから「角通し」と名付けられたと言われています。
また「筋を通す」という意味もありますよ。
一番が格が上なのが「鮫小紋」だったなんて知らなかった!
江戸小紋の柄には種類がたくさんある!五役と粋な文様
江戸時代の長い歴史を物語るような、多種多様な文様も江戸小紋の魅力の一つです。
江戸小紋三役を紹介しましたが、あと2種類加わると「江戸小紋五役」と呼ばれます。
加わる小紋は以下の2つになりますよ。
- 大小霰(だいしょうあられ)
- 縞(しま)
この2種類は三役の次に格が高い模様になります。
五役1.【大小霰(だいしょうあられ)】
大小霰は、江戸小紋の中でも人気の高い文様です。
格のある文様ですが、若い世代には「ドット柄」「水玉模様」と親しみが持てる柄でもあります。
プリント柄ではなく、手彫りでつくられているため情緒がありますよ。
地色によって、異なる趣をかもし出してくれるのも江戸小紋の魅力ですね。
五役2.【縞(しま)】
縞は、江戸時代より粋な柄として町人の間で大人気になり流行した文様です。
しかし、この縞模様は高度な技術を必要としますよ。
染める時に縞模様が動きやすく、壊れやすいため「糸入れ」をします。
あらかじめ型地紙を2枚にはがし、重ねて彫ってからその間に錦糸を張り、ずれないように柿渋で貼り合わせる作業のこと
また、型紙は消耗品のため使える間しか染められません。
そのため、現代の江戸小紋はとても貴重なものになっていますよ。
他に粋な柄の種類
他にも生活道具、生き物などを基調とした柄がたくさんあります。
それぞれの柄と意味を紹介していきますね。
幾何学的な柄
幾何学的な柄とは、三角や円形など、さまざまな図形を繰り返してつくられた模様のことです。
代表的な模様は、こちらです。
柄の種類 | 意味や印象 |
七宝つなぎ | 円形が無限につながった七宝柄のこと 輪が平和や円満を意味し、縁起の良い柄といわれている |
市松 | 格子柄、チェック柄のこと 無限に広がる様子から、繁栄の意味を持つ |
青海波 | 波が続いている柄のこと 波のように平和が続いて欲しい意味を持つ |
亀甲 | 亀の甲羅のような六角形の柄のこと 亀は長寿の象徴、長生きを願う意味を持つ |
麻の葉 | 大葉をかたどった六角形の模様のこと 麻は成長が早い、子供の成長を願う意味を持つ |
生活道具を使った柄
身近にある生活道具を使った柄もあります。
代表的な模様は、こちらです。
柄の種類 | 意味や印象 |
扇子 | 扇子が閉じたり開いたりする扇がちりばめている模様 扇の形から末広がりイメージからおめでたい意味を持つ |
鼓 | 鼓は、朝鮮から伝わった打楽器で優雅さが好まれていた 大きな音色から「実がなる」を連想し、豊作や成功の意味を持つ |
几帳 | 几帳は、平安時代に間仕切りとしてつかわれていた調度品 高貴な女性が使われていたため、華やかなイメージがある |
文字を使った柄
模様の中に、文字が使われている「文字文様」と言われる柄です。
文字の書体は自由に変形させ、角字や円寿のように図案化したものもあります。
柄の種類 | 意味や印象 |
福、寿、喜など | 縁起の良い文字を使った柄 希望や願いの意味を持つ |
梵字、経文 | 仏事などの、喪服用に使われる |
動物や植物を使った柄
花や動物、季節を彩るものや個性を引き出すものなど、非常に柄の種類が多いです。
そのため、生態や特徴などからさまざまな意味を込めていますよ。
柄の種類 | 意味や印象 |
松竹梅 | 縁起のよい代表的な柄 |
四君子 | 竹、梅、蘭、菊を組み合わせた柄 高貴さを表す |
シダ | 正月飾りに使用されることから、縁起が良い意味 |
龍 | 天高く昇るイメージから、栄光や発展の象徴 |
唐草 | ツルやツタは長く伸びるため、生命力の強さを表す |
鳳凰 | 架空の生き物だが、不老不死や長寿の意味 |
天馬 | 見た目の美しさから、高貴さを表す |
ここで紹介する柄以外にも、まだまだたくさんありますよ。
本当にさまざまな柄があるんだね。選ぶのが楽しくなっちゃう♪
江戸小紋の柄でわかる見分け方のポイント
江戸小紋は、職人が手で彫った型紙で柄をそめていますがプリントされたものもあり、見分けるポイントが重要です。
見分けるポイント1.【値段】
着物は行程が多いので、その分値段も高く江戸小紋も単色の型染めですが、反物でも20万台ほどになります。
しかし、中には10万円以下で販売している場合もありますね。
それは、型染めではなく、プリントされたものになります。
江戸小紋は、職人が一つ一つ丁寧に型染めしているため、多少の柄のズレやムラがあります。
それが着た時の動きや光りの反射具合で、着物の表情が出てきます。
プリントされたものは、すべて均一なため、着物の表情が平面的に見えてしまいますよ。
安いからと言ってすぐに購入せずに、しっかり見極めましょう。
見分けるポイント2.【新作】
近年は、若者をターゲットにした有名ブランドや着物プロチューサーとコラボした新作柄などが、販売される場合もあります。
これらは、ほとんどがプリントされたもの。
しかし、プリントだからといっても、コラボした新作柄は安くはありませんね。
本来の江戸小紋とは違うかもしれませんが、プリント柄であっても、素敵な着物はたくさんあります。
それが値段に見合った着物なのかは、よく考えてから購入することをおすすめしますよ。
まとめ
江戸小紋の柄には、「絶対にこうじゃないとダメ」というルールがないため、取り入れやすいですね。
柄選びや着用シーンに迷った際は、名前や意味と柄のイメージに配慮することです。
バリエーション豊かな江戸小紋で、多彩なコーディネートを楽しんでくださいね。
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